来月10日より3階へ移転し、生徒募集を再開する。
このように、当塾は拡大路線をとっているが、
その理由についてこの場を借りて申し述べておく。
生徒数を増やすことは経営状態を安定させるだけではなく、
現在在籍している生徒の為でもあるのだ。
それを言うと、多くの保護者様は首を横に傾げるだろう。
『生徒数が少ない方が、ちゃんと見てもらえる。』
そんな声が聞こえてきそうだ(苦笑)
では以前と比べて、
現在は『ちゃんと見てもらえていないか?』
私は答える立場に無いので、
以前から通塾している生徒を例に出してご説明しよう。
当塾は当初金沢にしかなかったが、
富山県でも家庭教師の派遣は行っていたので、
次第に金沢迄通塾する生徒が増えてきた。
毎週高速や電車を使って
富山から金沢に通う生徒たちをみていて、
高岡教室の開講を決めた。
そのような経緯で開講した高岡教室だったので、
当初は土曜日と水曜日だけの授業だった。
最大でも週に10時間の授業時間。。
それだけでは足りないので、
結局金沢まで通塾する生徒が数名居た。
申し訳ないとは思いながらも、
その時の状況では金沢をそれ以上空けることが出来なかったので、
生徒に来てもらうしかなかった。。
高岡教室に受験生は2名しかいなかったが、
手のかかる生徒だったので一般募集は控えていた。
経営的には勿論赤字だった。。。
高岡教室の開講から2年が経過し、
山本も金沢教室を任せられる程に成長したので、
初めての一般募集を行った。
それを機に、月・水・金の週3日開講となった。
やっと週に12時間。
順調に伸びる成績、少しずつだが口コミでの入塾も増えていった。
一般募集を始めて更に一年が経った。
以前から念頭にあった『補習塾』を始めることになり、
それに伴い開講曜日は月〜金までとなった。
これで週に25時間。
それから生徒が増え続け、
教室の椅子が足りなくなって
階下の不動産店に借りにいくことも出てきた。
生徒が増えた分、指導が行き届かないという懸念と、
宿題が出来ない生徒の為に土日や祝日に臨時開講することも格段に増えた。
この9月は開講しなかった日が5日、
週6日開講している計算になる。
授業時間も、多い生徒では100時間を超える。
………
『生徒が増えたら、ちゃんと見てもらえないかもしれない』
という心配は無用のものだとご理解頂けるだろうか?
生徒が増えた分、開講日も増え、開講時間も延びている。
保護者面談も年に4回、5回と行うようになった。
週に2回、3回開講していた時よりも、
保護者の方との距離も縮まり、
激励のお言葉や差し入れを頂くことも増えた。
教室面積を増やし、生徒を募集するのには他にも訳がある。
以前にある保護者の方から言われた言葉がある。
『そんな経営だと、塾を潰しますよ。』
私がお客様の事情(母子家庭等)で、
料金を下げていることに対しての言葉だった。
悔しかった。
自分が正しいと思っていたことだけに、胸に刺さった。
じゃあ平等ってなんだ?
生まれた家の経済状況、両親の勉強への理解度、通学する学校、
勉強が出来ない生徒は、なんらかのハンデを背負っていることが多い。
経済的な理由で塾に通えない子どもだって沢山いるだろう。
そんな中で何かの縁で当塾を訪れた生徒、
私の懐に入った生徒位は己の才覚で平等な教育を受けさせてあげたい。
そう思ってのことだった。
確かに経営は大事、でも生徒を思う気持ちはもっと大事だ。
青臭いことを言っていること、正規の費用を支払って塾に通っている生徒に対する不平等。その位は分かっている。
そのバランスを綺麗にとってやる、
不平等の穴は自分の身を削ってでも埋める。
そう心に誓った。
当塾のウィークポイントに費用がある。
大手から見るとちょっと安く、個人塾から見るとちょっと高い。
個人的には激安だと思っているのだが。。。
前置きが長くなったが、結論を。
生徒数があるラインを超えたら、
授業料金を下げたいと考えている。
そうすれば、費用の問題で当塾に来れない生徒にも足を運んでもらえるだろう。
環境の不平等を少しでも是正したいと考えてのことだ。
料金を下げたからといって、質を落とすことは絶対にしない。
それは過去に受験生2名のために塾を開いていたことをご説明すれば、ご理解頂けるだろう。
そして私に苦言を呈して下さった保護者の方に、お礼を言いたい。
『貴方の言葉があったればこそ、
発奮してここまでくることが出来ました。
正しいことをしているという自分に酔っていた私を
戒めて下さって、ありがとうございます。』
………
拡大路線については様々なご意見があるだろう。
その一つ一つに真摯に向き合っていきたいと考えている。
私が道を違えた場合は教えてほしい。
それではこの辺で。